
フクイチ(福島第1原発)事故の収束・廃炉作業などの被ばく労働が原因で急性骨髄性白血病で闘病中のAさんが、労働基準監督署の労災認定を勝ちとり、東電を相手に東京地裁で損害賠償請求訴訟を行なっている。
他方、原発関連労働者ユニオンに加入し、元請会社の竹中工務店に団体交渉を求めた。竹中側が「雇用主でない」などの理由で交渉を拒否したため、東京都労働委員会に救済申立を行ない、1月29日、都労委が「竹中工務店の団交拒否は不当労働行為に当たる」として救済命令を出した。
原発内での下請け労働者が加入する労働組合が、直接雇用主ではない元請企業との団体交渉権が認められた、初めての画期的な勝利命令だという。命令文には「就労時における被ばく労働管理などの作業環境に係る事項について、誠実に(団体交渉に)応じなければならない」としている。
東電社員には補償
損害賠償訴訟では、東電は労災認定された東電社員には「上積み補償」を行っているにもかかわらず、Aさんに対しては「原発作業と白血病との因果関係を認めていない」という。ゴルフ場が東電に対し放射性物質の除去を求めて仮処分申請をした裁判で、東電が「(放射性物質は)無主物(持ち主がいるわけではない)」と主張した悪夢を思い出す。
5000人が働く「収束」作業
フクイチでは1日あたり5000人が働いており、元請10数社が仕事を請け負い、その下に下請けや孫請け会社がつらなる。事故後14年間で労災が認定された人はたったの14人(24年4月現在)しかいない。
「難しいと思っていたが、いい命令が出たので感謝している。今後も続く廃炉作業のなかで被ばくが原因で、自分のように病気になる人が出たときに、話し合いのハードルが下げられればいいと思う」と語るAさん。
あらためて、原発労働者の健康と命を犠牲にする「原発収束作業」の恐ろしく困難な実態に、フクイチ事故を1ミリも反省しない政府・東電・原発マフィアへの怒りが収まらない。同時に、Aさんや原発関連労働者ユニオンの地を這うような取り組みに心からの敬意、声援を送りたい。(石田/原発関連労働者ユニオン声明等から)
