
東電は、柏崎刈羽6、7号機の再稼働により、1基当たり約1千億円の収益改善効果を見込んでいるが、再稼働に必要な「特重施設(特定重大事故等対処施設)」の完成は当初より大幅に遅延している。7号機の特重施設の完成予定は25年3月から29年8月に、6号機については26年9月から31年9月にという具合だ。普通は特重施設が完成しなければ再稼働はありえない。
ただし、原子力規制委員会は再稼働に向けた工事計画の認可から特重の完成まで、5年間の猶予期間を設けている。7号機は25年10月、6号機は29年9月が特重の設置期限だ。設置期限までは猶予期間として原発を運転できるため、東電は今夏をめどに7号機と6号機の再稼働を目指している。
7号機が特重施設の設置期限で停止する2025年10月までに6号機を動かし、6号機の設置期限(29年9月)までに7号機の特重施設を完成させ、再び7号機を運転する、という工程を考えている。
県民投票の実施へ
今年3月13日、超党派の国会議員らで作る議員連盟「原発ゼロ・再エネ100の会」が、地元関係者と東電を招いて行ったヒアリングの場で、地元の市民団体からは「5年の猶予期間は安全確保より事業者側の事情を優先したルールだ。特重の設置を再稼働の要件とすべきではないか」などの意見が出た。しかし、東電は、7号機について「新規制基準を踏まえた重大事故等対処施設(SA設備)を整え、審査に合格していることから、技術的には稼働できる状態にある」と述べ、6号機についても「今年の6月には燃料装荷を行う予定で、夏ごろには7号機と同様、技術的に稼働できる準備が整う見込みだ。7号機の特重設置期限を迎えた後も、稼働は継続できる」と述べた。
地元新潟県では再稼働の是非を問う県民投票の実施を目指し、署名活動が行われ、条例の制定を自治体に直接請求するために必要となるおよそ3万6000人を大幅に超える、15万超の署名(内有効数14万3000人余り)が集まった。住民の関心は高い。
