
皆さんへ 少しだけお伝えしたいです。片田舎にいても日本と世界の現状はびんびん伝わってくるのです。私の「日常活動」は新聞・テレビ・ラジオ・雑誌・書籍などと向き合うことです。それに短時間パート労働現場で日々刺激を受けています。たまには長崎市に出かけて、反核9の日座り込み行動に加わったり、中村哲さんの映画を観たりです。
今一番、気にかけていることをのべます。
裏金問題で、自民党は文字通りグラグラとなり、とても首相にはなれないはずの石破を担がねばならないくらいの大激震でした。安倍晋三と対立的で、安倍が警戒し睨み据えるような位置にいた男を自民の救世主に迎えなければならないほどの党的危機だったと思います。しかしどうでしょう。だからといって、集団的自衛権の行使容認や安保関連法など安倍と岸田が積み上げてきた戦争準備は消えて無くなったわけではなく、米軍と連結した自衛隊の戦争体制推進は進行しており、それは、辺野古や南西諸島に限らず、九州全域あるいは全国に及んでいます。軍拡一般という軍拡にとどまらない戦争への突進ではないでしょうか。「台湾有事」は米中の勢力圏のぶん奪り合戦のように見えます。仕掛けているのは勿論、アメリカではないでしょうか。
戦争遂行には国内治安対策が付きものです。今のところは、かつての「治安維持法」に相当するものはないけれども、憲法に緊急事態条項の創設と自衛隊を憲法条文に書き込む動きなどは、戦争国家づくりそのものです。主な動向として、学術会議問題、大川原加工機の公安警察によるでっち上げ逮捕拘留、全国の自衛隊基地周囲の1キロ範囲の土地の売買禁止、空港・港湾を指定して軍事利用を可能にする法案成立などなど。
「新たな戦前」という捉え方がありますが、私はもう一段見方をアップして「戦争前夜」情勢とまでは言わなくてもそこに近いと見ています。この観察は決して大袈裟なものとは思えません。
昨年京都円山集会で京都大の駒込武さんは「日本のみんなが気づかないうちに戦争準備がどんどん進められている。これとどう向き合うのか、が問われている」と発言したとのこと。まったくその通りだと思います。世界の中心は変転する。アメリカの国力の衰退は、今のトランプの「アメリカファースト」の政策に現れています。アメリカは取り戻しと巻き返しに打って出ている。
世界の国家権力(日本も)は、自らの行き詰まりと危機を「戦争をぶっ放す」ことで「解決」してきました。今もまた同様に、そういう時代のサイクルが私達の眼前で繰り返されようとしているのではないでしょうか。悲惨な戦争を教訓にしない権力者たちは、他国と自国の民衆の生命と暮らしと人生を破壊しても意に介さず何度でも平気でそれをやるのです。戦争はあらゆるものを破壊する。
戦争は民衆や階級に対する権力者による最大の絶滅攻撃です。これは、人々を資本主義にとどめ、社会主義に行かせないための最悪の破壊工作かもしれない。だから何度でも戦争でぶっ壊してチャラにするのではないか。全ての人々が、このことを喝破してあらゆる戦争推進・容認党派勢力を政治の舞台から退場させることが急務です。選挙も重要ですが、国会外の大衆行動も重要です。
政治研究者の白井聡さんは「持ち場持ち場で頑張ることが大事」と言いましたが、各論のみに限定して発想してしまう傾向がある表現です。大局的見地も大事だと、云って欲しかった。
実践的活動とは縁遠いこの私ですが、大言壮語します。全国の人々に「どうするの?」と言います。
表はグラグラですが、裏側は戦争推進の自民。石破の商品券問題は「自民党の体質」というレベルを通り越して、金と資本主義にどっぷりと浸りきって、日米同盟に寄りかかっている姿を曝け出しています。
さしあたり、この自民を党として解消し退場させることを目指すべき。戦争反対は、自民・公明などと対峙して日米軍事同盟を止揚すること。
何よりも、戦争に反対する側は、大局的見地で情勢を見極め、戦争反対を軸にして大同団結して自公などと闘うこと。大々的な反戦行動を時代は求めていると思います。希望は、資本主義批判を新たに深めること。そして、生身の人間の潜在力と可能性を解き放つこと。生身の人間のなかに社会主義は存在する。
2025年3月19日 長崎・菅原文男
