
入院したことがある人は、みなさん経験があると思いますが、若いころ何でもなかったことが、齢をとると困難になります。入院手続き、病院に提出する書類も、その一つ。
術後に、病院から説明される連絡先、保証人の書類を提出しないといけません。私が入院したところでは、3人も連絡先が必要でした。母親は高齢だし、父親は亡くなっているし、弟は盆暮れしか顔を合せないし、なんで3人も…と思いました。
高齢者は、存命している身内も少なくなり、仲良くしている近所の人も、このようなことは頼みにくいというのが現状ではないでしょうか。私の場合、1人は息子、あとの2人は友人になってもらいました。
以前は、手術に立ち会いが必要、摘出したものを見せ医師が説明するということがありましたが、今は病院から電話で説明するだけなんですね。それも、患者本人から電話してもよいと術後に分かり、そうしました。3人という人数も絶対ではなく、1人でもいいようでした。人数が揃わない場合、病院の担当者に相談するといいと思います。
身元保証人の書類には、身元保証人1人と連帯保証人2人が必要です(費用を本人が払えない場合は、支払い責任があります)。それぞれ自筆で署名してもらい、判子も押してもらいます。それも、息子と友人に頼みました。
しかし、様々な事情で頼めない人もあるでしょう。もしものとき支払い義務が生じるため、身内であっても頼みづらいです。周りはみんな高齢者で年金暮らしなら、なおさらです。そういう場合は「頼れる人は、みんな遠方にいます」と、病院の担当者に相談しましょう。きっと力になってもらえますよ。
さすがにやる気をなくす
さて、腎臓癌という結果が分かり、担当医から入院、手術の日の提案がありました。担当医のスケジュールと手術室の空き状況から、一番早くて2月25日入院、26日手術ということでしたから、その日に決めました。なんだか目まぐるしく、「こんなに早く決めて大丈夫かな?」とか、「何回も麻酔して大丈夫かな?」とか、不安もありながら入院準備にかかりました。
入院までは20日ほど。その間、何をしたかというと、病院に持っていく上履きや歯ブラシを買ったり、不用品を処分したり、エンディングノートじゃないけどノートに保険のこととか親せきの連絡先とかをまとめたりしていました。万一のことがあったら、息子が困りますからね。手術が失敗するとは考えませんでしたが、書いておけば安心です。
あと、歯医者さんに行って歯垢をとってもらったり、ぐらついている歯を抜いてもらったりしました。全身麻酔の場合、口の中に管を突っ込んだりしますから、口の中を清潔に保つのが必須です。口の中のばい菌が体内に入り、感染症を引き起こす可能性があるからです。それから、手術まで風邪をひかないように気をつけていました。
大事な集会などもありましたが、手術が終わるまでは何もする気になれませんでした。(つづく)(民)
