
体調不良の季節
やっと春がやってきた。しかし、介護現場にとって、春は良いことばかりではない。
まず多いのが、めまいをはじめとした体調不良だ。精神疾患の方だけではない。経験上、高齢女性は春先のめまいが多い気がする。特に寒さとあたたかさが交互にやってくるパターンだと身体にストレスがかかり、体調を崩しやすい。訪問介護にとって難しい季節だ。ちなみに、介護施設では基本的に室温を27度に保っており、ストレスは比較的に少ない。
精神疾患や自閉症の患者さんたちも、精神面で不安定になりやすい。いつもと同じ感じでサービスしていても、いきなり「キレられてしまう」ことがあるので気を使う。
花粉症も悩ましい。花粉症そのものの症状も問題だが、それに隠れてさまざまな体調不良の発見が遅れるのが怖いところだ。
満開のサクラを届ける
そうした苦労が多い春という季節だが、それでも私は春が好きだ。訪問介護は暑さ、寒さと難儀なことが多いが、晴れた春の昼下がりに満開の桜並木をバイクで走り抜けると、ちょっと得した気持ちになる。
利用者さんのご家族に、「今年も〇〇さまに、満開のサクラをお届けできました。スタッフ一同、喜んでおります」と、メールなどを送ると喜ばれる。本人、家族、ヘルパーが喜びをひとつにできる季節でもある。(小柳太郎/介護ヘルパー)
