太田裕美の「木綿のハンカチーフ」が青春時代というと齢がバレてしまうが、この世代には木綿は「清潔、質素」のようなイメージが強いと思う。確かに木綿織物自体はそうなのだが、木綿の歴史となると、まさに暗黒そのもの。資本主義国が奴隷制を強化しながら、木綿を世界に広げた歴史である。
マルクス・エンゲルスの著作を読んだことのある人には、ぜひともご覧いただきたい。特に、イギリス植民地だったアメリカが独立したことにより、イギリスの綿糸産業がより発展したという指摘は重要だ。当時ヨーロッパでは、奴隷制廃止の動きが高まっており、植民地も含め奴隷制廃止が問題になっていた。アメリカが独立したことで、奴隷制を維持したアメリカから大量の綿花がイギリスに送られ続けた。
清い木綿の背景にある、暗黒の歴史に思いをはせていただければ…。(小柳太郎)
https://www.youtube.com/watch?v=Z_WDXQCpDww