
「木村英子さんを囲む会」が開かれ、会場は満員になった(5月4日、尼崎市内)。木村英子(きむらえいこ)さんは1965年、横浜市生まれ。生後8か月の時に障がいを負い、幼少期のほとんどを施設と養護学校で過ごした。重度の障がい者は、家族が介護するか施設しか生きる道がないという当時の状況のもと、養護学校卒業後は地域で生活をすることを決意し、施設を拒否し19歳の時、東京都国立市で自立生活を始めた。
1994年には、東京都多摩市で障がい者の自立を支援する「自立ステーションつばさ」を設立。「地域で生活したい」と望む障がい者の自立支援を今日まで行う一方、全国公的介護保障要求組合の書記長を努め、仲間と共に長年にわたり障がい者運動に力を注いできた。2019年、参院選に「れいわ」から立候補し当選。国会では国土交通委員に所属し、障がい当事者の立場から質疑を行っている。
国土交通委員会での活躍
木村英子さんの、国土交通委員会における活躍は多方面にわたる。集会で配られた『えいこのかけはしだより』2025年春号から項目を紹介すると、
・だれでも安心して乗れるバスの改善に向けて
・障害者の住宅探しの差別解消へ
・車椅子でも入れるように、お店のバリア解消へ
・劇場や映画館のバリアフリーを!
・車椅子利用者が入れるトイレは、誰にとっても使いやすいトイレ
・車椅子利用者も、車窓が見える新幹線に
・誰も取り残さない、インクルーシブ防災の実現にむけて
などなど、切実な課題について日々取り組んでいる。
告示523号の撤廃を
こうした施策を実現するためには、障がい当事者が議員になることも含め、積極的に政治に参加することが必要だ。しかし、現状では重度訪問介護制度において厚生労働省の告示523号の制約があり、重度身体障がい者が就労・就学、経済活動、そして政治活動や選挙活動などの外出が制限され、社会参加が阻まれている。
木村英子さんは、この告示523号について国会で石破総理に直接問いただすなど、撤廃に向けて日々精力的に活動している。
地域の障がい者から活発な意見・質問
集会の最後に、地域の障がい当事者の人たちから意見、質問が相次いだ。それぞれ、これまでの取り組みにふまえた重みのある発言ばかりだった。例えば障がい者トイレについては、これまでの旋回直径150cmが、新たな基準では180cmに拡大していること、航空機内の狭いトイレを、内助可能なバリアフリーにするための新しいタイプの製品開発が進んでいることなどが木村さんから報告された。
最後に、地域の議員のみなさんからも発言があった。兵庫県議会の百条委員会委員である丸尾県議も元気に挨拶、会場から大きな拍手があったことを伝えたい。(小柳太郎)
