
1963年5月23日、石川一雄さんが不当逮捕された。その23日を前に5月17日、第4次狭山事件の再審をめざし「座り込み行動」が行われた(JR神戸駅前)。「狭山事件の再審を求める市民の会・こうべ」が呼びかけ、毎年この時期に実施している。
3月11日、冤罪・無実を訴え続けた石川一雄さんが亡くなった。86歳だった。石川さんの無念を思い、「何としても冤罪を晴らしたい」と参加した人たちは確認し合った。「第4次狭山事件の再審」は、4月4日、石川さんの遺志を受け継ぎ、連れ合いの石川早智子さんが申し立てた。
座り込みの17日は、朝あいにくの雨だったが、雨が上がるとチラシ配布、署名、マイクを持ってアピールした。狭山再審弁護団は、第3次再審請求審を引き継いで「逮捕当時に石川さんが書いた上申書」「警察での取調べが録音されたテープ」「コンピュータによる筆跡鑑定」「万年筆のインクが被害者のものではないとする科学鑑定」などを裁判所に提出、事実調べ、鑑定人の尋問を求めている。
石川早智子さんは記者会見の際、「冤罪を叫び続けた夫に、司法は真摯に向き合うことはなかった」と怒り、「夫の無念を晴らしたい。亡くなった今もかけられている『見えない手錠』を外したい」と訴えている。
今国会・法制審議会で再審法の改正が議論されている。笹倉香奈さん(甲南大学法学部教授)は、「今も、多くの冤罪犠牲者が、獄内外から再審の扉が開かれることを待ち望んでいます。人は間違います。だからこそ、冤罪犠牲者の救済のために設けられた再審法に、確かなルールが必要です」と訴えている。
抗議と再審をめざし、部落解放同盟をはじめ狭山闘争を担う多くの仲間が、全国で取り組んでいる。私たちは、石川早智子さんと共に「再審、無罪、再審法の改正」に向け、行動する。(庄)
