「ドローンから見た沖縄・辺野古~いま何が起きているのか」と、奥間政則さん(沖縄ドローンプロジェクト、土木技術者)講演した(6月1日、神戸市内)。
奥間さんは、「二つの国策に怒り、反対している」と述べた。沖縄戦が終わった後、一つは国策としてハンセン病者が強制隔離、差別されたこと。両親が病者であり、両親の人生が破壊された。二つは、再び沖縄が戦場になること。戦争に向う動きのなか、辺野古新基地建設、自衛隊基地が増強されていること。
基地建設に反対している仲間とともにドローンを飛ばし、その映像が実態と違法工事を暴いている。映像は住民運動の「武器」、根拠になり、国会で野党が追及する資料になっている。小池晃・参議院議員は、国会で「辺野古弾薬庫改修工事」の予算について政府を追及した。

大浦湾は軟弱地盤 にごり水
辺野古・大浦湾では、軟弱地盤の改良工事が進められている。軟弱地盤の深いところは90メートルに達するが、防衛局は70メートルまで改良工事をすればいいと設計している。改良工事は砂杭打ち機船(サンドコンパクション船)は、直径80センチの円筒に砂を詰め、振動させながら打ち込んでいく。6隻を稼働させている。
その大浦湾ではメディアの映像によっても、大量の「にごり水」が出ていることが暴かれた。防衛局は「対策をとる」としているが、奥間さんは「にごり水の問題はドローン映像によって前から指摘していた。汚濁防止膜も役にはたたない」「軟弱地盤に振動をかけながら砂杭を打ち込めば、ヘドロ状になり盛り上がってくる」「基地建設に反対する調査団は、えんこ滑り(地すべり)が海の中で起きると指摘している」と話した。
琉球弧の島々で基地建設が進んでいることが、ドローン映像によって説明された。許せないことは、弾薬庫の建設では基地内にむけて防護塀が建設されているが、島民の集落側に対策が取られていない。むしろ、住民を追放する(避難)方向で動いているという。

「沖縄を戦場にするな!」
奥間さんは、毎年「6・23慰霊の日の式典」に怒りの声をあげているとも話した。一昨年は、岸田首相に対し「岸田、沖縄を戦場にするな」と沖縄県警に囲まれながら抗議した。昨年は、特に沖縄県議選で自民党をはじめとした基地推進派に対し、ウチナー語でウチナンチュに呼びかけた。そのニュース映像が流された。参加していた人たちは、「まだまだ怒りがたりないと」感じたと思うという。
「沖縄本島とメディアで報道されるが、なぜ本島なのか。沖縄島である」「本島という言葉には、元、中心という意味がある。沖縄島と呼んでいきたい」。

映像が知らせる力
集会参加者の声。「戦争が机上の話ではなく、現実に目の前に迫っていることが、よくわかりました」「ドローンの映像が、たたかいにつながっていることが、わかる。その映像を撮らせないようにする防衛施設庁側との攻防という緊迫した中での映像を、私たちも力にしていかなければならないと思いました」「実態を見えないようにさせようとする国に対し、現地を監視し暴いていくことを応援し、行動していきたい。6・23に声をあげる奥間さんの叫びが心に響いた」「多くの情報をドローン撮影で具体的に見せてもらえ、理解しやすかった。規制法ができた。やはり政府防衛庁には不都合で、攻撃される奥間さんの活動が心配。頑張ってほしい。私たちが行けない、知らないことを知らせて下さい」…。
ともに、「辺野古新基地建設に反対!沖縄を、日本を戦場にするな!」の声をあげる。沖縄に行こう。自らの場所で、たたかい行動しよう。(庄)
*写真:「杭打ち船」付近に汚濁水が上がっている。(撮影:奥間さん)