
米・イランの核開発計画協議の2日前(6月13日)、イスラエルはイランの実験用原子炉3基が稼働中のイスファハン核施設、ナタンツの核濃縮施設をはじめ、世界最大のガス田サウスバースなど100カ所を小型人機やミサイルで攻撃した。イラン軍モハメド・バゲリ参謀長、革命防衛隊ホセイン・サラミ司令官、核科学者モハメド・メフディ・チランチ、200人以上の市民を殺害した。
「Xデー」に向け入念の準備をおこない、サイバー攻撃によって防空システムを麻痺させ、イラン国内のトレーラー発射装置からドローン攻撃等を駆使したという。IAEA(国際原子力機関)は、ナタンツの核施設が破壊され放射能汚染が起きていると報道している。
米トランプ大統領は、最高指導者ハメネイ師の暗殺計画には「同意しなかった」とし、イラン攻撃はトランプ大統領同意のもとに行なわれたと考えられる。
イランも報復のミサイル攻撃をテルアビブに行ない、子ども2人を含む死傷者を出している。ガザでは、すでに5万5千人の死者、12万7千人の負傷者が出ているという。ネタニヤフは、「ナチス・ヒトラーも驚く」ようだ。核施設攻撃もなんら躊躇しない人物である。
ICC(国際刑事裁判所、赤根智子所長判事)は、ネタニヤフ首相はじめ3名に戦争犯罪の罪で逮捕状を発行した。ウクライナ侵攻をめぐりICCは、プーチン大統領らにも逮捕状を出している。これに対しロシアは赤根裁判官ほか3人に、報復措置と思われる刑事手続きを行なった。
一方、米トランプ大統領はICCの判事たちに制裁を課し、イスラエルの戦争犯罪に加担している。戦争の最大の元凶は、米トランプであることが明らかだ。
米市民、「NО!KINGS」デモ
そのトランプ大統領は、建軍250年と自らの79歳の誕生日に合わせ、65億円を投じ34年ぶりの軍事パレードを大々的に行なった(6月15日)。パレードには、70%の米国民が反対しており、全米2100カ所で500万人の「NО!KINGS」デモが行なわれた。
原油の9割、天然ガスの1割を中東に依存する日本。石破首相は、背に腹は代えられず「到底許容できるものではない」「強く非難する」と抗議した。被団協理事長の箕牧智之さんは「核戦争が迫っている」「被爆者として非常に憂慮」と声明を発した。
いま、「終末時計」(米原子力科学者会報)が、「人類滅亡まで残り89秒」を示し、警告を発している。人類歴史の歯車を逆回転させる「王様の歴史」を、終わりにしなければならない。それは、世界の人々の行動にかかっている。(啓)*写真はJNNニュースから。
