7月20日投開票が行われた参議院選挙において、自民党・公明党の連立与党は大幅に議席を減らし大敗した。自公は50議席に届かず、参院で与党は過半数割れした。
日頃の生活の苦しさから、有権者の自民・公明候補への批判票が集中した。重税、物価高・コメ問題への対応をはじめ、自公連立政権への怒りが吹き出した形だ。その一方、自公政権への批判票は、野党第一党である立憲民主党には向かわず、国民民主党と参政党の伸長が著しい。維新も関西で議席を維持した。かつて、自公への批判票を維新が吸収する現象が、より分散する傾向にある。これは立憲民主党、特に野田代表が「野党共闘」について消極的であることにより、「批判票の受皿」になれていないことを示している。
今回の参院選では6月の東京都議会選挙に続いて、「違法外国人ゼロ」「外国人優遇政策の見直し」を掲げて各党が排外主義を競い合う状況が生まれた。「外国人優遇」は根拠のないデマである。日本には外国人に人権を保障する基本法すらなく、選挙権もない。公務員になることや生活保護を受けること等も法的権利としては認められていない。医療、年金、国民健康保険、奨学金制度などで外国人が優遇されているという主張も事実ではない。「外国人=違法」という偏見を煽り、難民など様々な事情をかかえた人たちを一括りに「違法」「不法」として問答無用で排斥する政策は排外主義そのものだ。「日本人ファースト」を掲げる参政党へのファクトチェックが各方面から行われた。排外主義・差別主義を許さない取り組みを強めなければならない。