西宮市(兵庫県)の甲子園浜で、辺野古ブルーおおさかとHYОGОの合同カヌー教室が開かれた(7月21日)。今年はひときわ暑い。辺野古ブルーおおさかは大阪の淀川で教室を始めたが、やはり海の方がいいだろうと甲子園浜に移り7年になる。
目的は、沖縄辺野古での辺野古ブルーに合流するためだ。カヌーでの抗議行動に参加するためには、少なくとも2日間は辺野古でのカヌー教室に参加し、一通りのカヌー操作と最後にカヌーの転覆回復練習がある。神戸・大阪から沖縄辺野古での抗議活動に参加する場合、貴重な滞在日程を基礎練習に取られるのはもったいない。また、カヌー操作技術をよりあげることをめざしての甲子園浜カヌー教室がある。これまで数人が、この教室から現地の辺野古ブルーに参加している。教室からのメンバーが初めて海上抗議集会に参加した折り、辺野古の松田ヌ浜から往復5キロを漕ぎきったと、大変嬉しそうだった。教室の練習成果だ。
土砂投入前の2017年当時、辺野古ブルーのメンバーは1日20人を超える参加者がいたが、現在はその半分以下になっている。甲子園浜でのカヌー教室は貴重な取り組みだ。

「初めて座り込みに参加」
辺野古ブルーおおさかでは、沖縄辺野古にメンバーを派遣するための基金を作り、派遣費用の一部を援助している。さらに、辺野古における新基地建設進捗状況について学習会を継続して開催している。先日の学習会では、基金を利用して初めて辺野古新基地建設阻止現場の座り込みに参加した方から、こんな報告があった。「現地に行く前は、機動隊に拘束・逮捕されたらと不安だった。しかし、座り込んでいるお年寄りも含め、みんな落ち着いたもので機動隊員に気軽に、3人で椅子ごと移動させてと声かけしているので驚いた。おかげで自分も落ち着くことができた。現地に行けてほんとうに良かった。今年で定年を迎えるので、再度辺野古に行きたい」と語っていた。
辺野古ブルーHYОGОのメンバーは毎週土曜日、神戸三宮マルイ前で「辺野古新基地建設阻止」を訴える神戸市民の会のパネル・横断幕・マイクでの情宣活動を長く続けている。その1人はギターの弾き語り、他の人たちはマイクで道行く人に訴える。「沖縄・南西諸島への自衛隊・ミサイル基地を既成事実のごとく設置することは、台湾有事を煽り再び先の大戦における沖縄県民の多大な犠牲を繰り返す、沖縄に対する本土の私たちの差別ではないか」。阪神間には沖縄県出身者も多い。掲示パネルを見ながら「私は沖縄出身者だが、もうこれ以上沖縄に米軍基地はいらないよね、頑張って」と署名してくれる。

工事は20%にも達しない
政府・防衛省は、辺野古新基地建設の工事が予定どおり順調に建設が進められていると思わせようとしている。しかし現実は、当初予算9300億円のうち既に80%を使いながら、辺野古側の浅瀬が終わっただけ。計画全体の20%にも達していない。しかも最大の難所である深水70~90メートルもの「マヨネーズ状」軟弱地盤の埋め立てが残されている。それもどういうわけか、この6月からずっと、砂杭を打つSCP船(サンド・コンパックション船)が大浦湾から出て行ったまま、工事は中断している。
巨額の国家予算を費やしているこの工事について国・防衛省は、進行状況も含め国民・市民に詳らかに説明する責任がある。しかし、彼らは何も語らない。市民もまた知ろうとはしない。辺野古ブルーおおさかの学習会、神戸三宮マルイ前・大阪駅前・京都四条交差点などでの辺野古新基地建設反対の情宣活動は、新基地建設の現況を市民に明らかにするための不可欠な行動なのだ。(住田一郎)