
8月9日から12日にかけて、大阪・高槻市役所の展示ホールで「子どもたちと考える戦争と平和展in高槻・島本2025」が開催されました。この取り組みは、高槻・島本の市民グループの方々が実行委員会をつくり、毎年夏のこの時期に行われています。
今回は、15のテーマに沿って展示がおこなわれていました。731部隊、沖縄戦の悲劇、日本軍軍隊慰安婦、タチソ(高槻地下倉庫)、戦争遺品、戦争プロパガンダなどです。長年それぞれの課題を取り組んできた市民グループの活動がコンパクトに展示されており、わかりやすい説明もあって、あらためて旧日本軍の戦争犯罪・植民地支配の残虐性を痛感しました。また、展示されている戦争遺品の中には、私の地元の知人が拠出した展示品もあり、80年をへた今でも、戦争自体が身近な関係の中で継続していることを実感しました。
今回印象に残ったのは、広島の被爆者が自身の記憶に残る光景を高校生たちに直接に話をして、共同で「原爆の絵」として制作するプロジェクトの展示でした。ネットで、「基町高校の生徒と被爆体験」で検索するとこのプロジェクトの紹介があります。こういう取り組みは、記憶と記録の継承という点で、本当に意義のある取り組みだと思いました。原爆を直接には経験はしていない広島の高校生たちが、当時の様子を被爆者の生の声をもとに約1年をかけて絵を描いていくプロジェクトだそうです。とても心を打たれました。
また高槻市のいくつかの学校では、広島の被爆アオギリ2世や、長崎の被爆クスノキ2世を植樹し、平和教育の一環としているということも知りました。たしかに小さなことかもしれませんが、こうした取り組みは今後も大切です。
今年は戦後80年。記憶と記録の継承という課題が、より重く私たちの課題になってきていると思います。市民一人一人が関わることの出来るような広がりのあるものにしていければと思いました。
(町田等志)
