「戦争放棄」「戦力不保持」「交戦権の否認」の規範的な要素とする平和憲法など、まるで邪魔者扱いである。名もなき者、力なき者、貧しき者たちのために、私たちは問い続けたことがあるだろうか。「戦争状態は、人間の行為そのものに影を落とす」とするなら、いまが、そうではないか。
「他者の痛み」を感じることほど、難しいことはない。貧困、差別、暴力からくる痛みを、我がこととして悩みきるのは容易なことではない。戦争の危険は増大している。かつての戦争と、これから起きるかもしれない戦争の関係を知る必要がある。
決して幻聴等ではない、戦争の足音がますます大きく聞こえる。非核三原則などを事実上死文化させ、はっきりと「戦術核保有」「核の共有」を唱える者たちが現れてきた。憲法九条を語る人が少なくなった。
戦後80年を向かえた、いま。侵略の歴史を決して忘れることなく、子々孫々まで語り継ぎたい。消し去ってはならない。(嘉直)
