
イスラエルとハマスが停戦合意し、人質20人の解放とイスラエルに収監されていた約2000人の解放、イスラエル軍の一部地域からの撤退や、ガザへの人道支援物資の搬入などが報道されている。しかし、停戦はあくまで「戦闘の一時停止」であって「和平合意」そのものになっていない。過去にも2回の停戦合意が破棄されている。
兵庫の市民運動が「パレスチナに真の平和と自由を求める。イスラエルはジェノサイドをやめよ」とデモを行なった(10月18日)。
ジェノサイドに抗議
和平合意に至るには、①イスラエルの占領地からの完全撤退、②パレスチナの国家承認など懸案事項がある。しかし、米トランプ大統領の和平提案には、国家承認はない。イスラエルは、「ガサの非武装化」や「地下トンネルの破壊」を主張している。
ハマスは、外国勢力の統治を拒んでいる。ガザでは67%の人々が武装解除に反対しているという。
今回の「停戦」を生み出した力は、世界の人々による「ジェノサイド抗議」の声だ。グレタさんら500人がガザへの支援物資を届けようと、命がけの船団行動を行なった。南アフリカなどグローバルサウス国々による国際司法裁判所への提訴があり、カタール、トルコ、エジプトの仲介があった。
「フリー、フリー、ガザ!」
2年間におよぶジェノサイドを許してきたのは、欧米各国や日本政府も、イスラエルの暴力的入植に対する見て見ぬふり、黙殺、不作為だ。私たちの「無関心」もあってはならない。ガザでは、6万7千人が虐殺され、17万人の負傷者、220万の人々の9割が住む家を破壊され、瓦礫と化された。パレスチナの人々が自由をとり戻し、人らしく生活できるよう、全世界の人々の全力の支援が必要だ。
緊急のデモに集まったのは約50人だったが、「フリー、フリー、ガザ!」「フリー、フリー、パレスタイン!」「ガザに平和を!」「ガザに自由を!」「停戦合意を守れ!」「日本政府は、パレスチナを国家承認せよ!」のコールは力強かった。人がいっぱいの三ノ宮センター街にこだました。いくつかの、中高校生らしい若者、グループも手を振っていた。
大使、石破総理へ申し入れ
デモ前の集会では、駐日イスラエル大使に宛て「ガザ住民への無差別攻撃、医療施設への暴力行為に抗議する。停戦を確実に実行してほしい」と、石破首相には「イスラエルによるガザ住民への虐殺を傍観してきた日本政府、政府はパレスチナを国家として承認し、イスラエル軍事企業に投資しないこと」などを求める決議、申し入れを採択した。(啓)
