日東電工の東京本社(品川)の前で不当労働行為を訴える韓国オプティカルハイテックの労働組合のチェ・ヒョンファンさん=写真提供:尾澤邦子

韓国オプティカル(本社大阪、日東電工100%出資の子会社)の労働組合への審問が、大阪府労働委員会で行なわれた(10月30日)。オプティカル労組は、おおさかユニオンネットワークに加入し、日本の労働委員会に提訴している。
親会社の日東電工による偽装倒産・不当解雇の「使用者責任」を立証し、日東電工に団体交渉を求め闘争中である。チェ・ヒョンファン委員長が証人席にたち、「韓国オプティカルが撤収する際、一切の権限は日東電工の首脳陣にあったこと」「植民地解放後、日本のグローバル資本が韓国で操業し、工場を撤収する際の大量首切り」などの酷い実態を厳しく弾劾する証言となった。
女性労働者2人が社屋に抗議籠城し、会社は「電気水道を切った」が、600日も決死の闘いを続けた。また、委員長の借家敷金を差し押え、日東電工の株主なのに株主総会に入らせない。あらんかぎりの不当な攻撃を証言した。審問委員らは、どんな思いで聴いただろうか。

次回、最終意見陳述
日東電工側代理人の反対尋問は、逆にチェ委員長の鋭い証言を引き出すことになり、弱々しかった。証言台には、日本の支援者の通訳が同席した。通訳は、韓国の仲間の思いを引き出し、日東電工・府労委の公益委員、傍聴者全員を圧倒した。
韓国の労働者が日本で作った労働組合の労働委員会は初めてであり、労働組合適格が認められ、審問が実現したことは画期的だ。日韓連帯の闘いの実現だ。チェさんの証言が終わると、大きな拍手が起こった。チェさんは支援に感謝を表明し、お土産の韓国海苔を配っていた。
傍聴席は、駆けつけた支援者、弁護士でいっぱいになり、府労委事務局も少し慌てていた。次回、最終意見陳述は12月26日。(啓)