
大津コンプライアンス第1事件の判決があった(11月18日、大阪高裁)。裁判は、①フジタ事件(恐喝未遂)、②セキスイハイム近畿事件(威力業務妨害)、③日本建設事件(威力業務妨害)、④東横イン電建事件(威力業務妨害)、⑤タイヨー生コン事件(恐喝)についての判決である。裁判の焦点は、労働運動の正当な活動であるコンプライアンス活動(注)に、「刑事罰を科していいのか」が問われている。
一審の大津地裁は、関生支部・湯川裕司委員長に対し、4年の実刑判決を下した。他4名に対しては、懲役1年から3年、執行猶予3年から5年の判決だった。控訴審では、湯川委員長に対して恐喝罪については無罪、コンプライアンス活動に対し懲役3年、執行猶予5年。他の4名に対しては、控訴を棄却した。被告は上告したたかう決意を明らかにした。
産別労組運動つぶしの弾圧
大阪高裁前の公園には多くの労働者、市民が集まった。12時から「裁判所グルグル包囲デモ」を行ない、小集会を開いた。労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会の小林勝彦さんは、「コンプライアンスは労働者の命を守るものであり、労働組合として当たり前の活動だ。これを事件とし、罪に問うことは許されない」と訴えた。
裁判終了後、湯川裕司委員長は「(恐喝事件の)無罪判決でも嬉しくない。今日の判決で収監はされなかったが、労働運動は評価されていない。もう少し踏み込んだ、コンプライアンス活動でも無罪判決を期待したが。裁判長は産業別労働運動を理解していないか、認めようとしていないのか。そういう判決であったと思う」「これから労働運動は、どうたたかっていけばいいか。法令遵守も威力業務妨害とされる。ストライキも企業内しか認められない。労働三権がないがしろにされている」「この判決により、私たちの活動が縮小し自粛することではない」「当然だが、私たちは上告します。産業別労働運動は、ゼネストをやるし、法令遵守活動もする。負けずに拡大していく」と決意を明らかにした。
2026年 元旦闘争
メディアも、関西生コン支部を取り上げている。11月10日に放送された「NHKクローズアップ現代」、11月30日(日)の朝5時から放送予定のMBS「映像25」の「労組と弾圧~関西生コン事件、それでもたたかう」を注目してほしい。
2026年も1月1日(木)「元旦行動」10時~大阪府警本部前が、呼びかけられている。多くの参加で「労働組合つぶし」を跳ね返していこう。(庄)
