米軍レーダー基地に抗議する市民ら=10月24日、京丹後市

米軍のXバンドレーダー基地がある京都府京丹後市の丹後文化会館で11月9日、「米軍基地いらんちゃフェスタin丹後2025」が開かれ、450人が参加した。Xバンドレーダーとは、波長が2・5〜3・75cmのマイクロ波(周波数帯域が9GHz帯付近)を用いる高精度のレーダーである。京丹後市経ヶ岬の米軍レーダー基地は、北朝鮮から発射される弾道ミサイルの察知を目的として設置された。
大型バス1台で京都から参加した「米軍Xバンドレーダー基地反対京都連絡会」は、例年通り、事前に米軍基地ゲート前での抗議行動をした。雨の中だったが、地元の京丹後市会議員の永井友昭さんや「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」代表の増田光夫さんも参加。大阪から参加者も含めて50人の行動だった。
いらんちゃフェスタでは、自衛隊基地がある祝園、舞鶴、福知山、京丹後から状況報告を受けた。陸上自衛隊祝園分屯地のミサイル弾薬庫の増設問題について、京都府精華町の町会議員で「京都・祝園ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク」(ほうそのネット)副代表の神田高宏さんが報告した。8月18日に弾薬庫増設の着工がされた。10月19日には精華町で2700人が参加した大集会が開かれたことなどが話された。「憲法を生かす・平和のための舞鶴ネットワーク」(憲法・平和舞鶴ネット)の小西洋一さんは、護衛艦へのトマホークの配備と、弾薬庫の増設、総監部の地下化が行われていることを報告した。福知山平和委員会の水谷徳夫さんは、2017年から、経ヶ岬基地に所属する米軍属が陸自射撃場(福知山市)で実弾射撃訓練を行っていることについて、「当初は、軍属のライセンス更新が名目だったが、米軍が機関銃の訓練も行うようになった」と報告した。
京丹後市議の永井さんは、「今年はすでに3回の日米合同演習が行われている。7月10日には京丹後市や近畿中部防衛局が知らないうちに米軍と福知山の陸上自衛隊が合同訓練を行っており、文民統制がないがしろにされている。9月の「オリエントシールド」では、初めて日米豪の合同演習が行われた。10月の自衛隊統合演習でも日米豪が合同演習を行っており、この時はまた旧宇川中学校を自衛隊が使用した。また「オリエントシールド」の際には、米兵が自動小銃を持ったまま歩いて国道を移動していた。さらに米軍経ヶ岬基地では、地元に何の説明もないまま、8月30日から38日間にわたって、昼夜ぶっ通しで発電機を稼働し、かつてない騒音被害をもたらしたと怒りを込めて報告した。
集会後、会場のある峰山町内をデモ行進。このときには雨はあがっていた。(塚本)