
高市首相が衆議院を解散し、2月8日が総選挙投票日となった。自ら「なぜ今なのか。高市早苗が内閣総理大臣でよいのかどうか。いま主権者たる国民の皆様に決めていただく。それしかない」と明言した。今回の総選挙は、「高市独裁政権を認めるかどうか」の正念場となる。「電撃解散」により、状況は日々動き情報が錯綜しているが、ここでは個人の意見として総選挙に臨む視点を提案させてもらう。ご意見、ご批判をいただければ幸いである。
高市「電撃解散」の誤算
「高市電撃解散」それ事態が、もともと予定されたものではなく、追い詰められたものと考えられる。もともと高市首相は、通常国会の「予算自動成立」を見越し、3月訪米とトランプ会談を狙っていた。ところが「台湾有事」発言、統一教会TM報告書問題(注)、維新の「国保のがれ」問題など、与党の失政とスキャンダルがあいつぎ、通常国会の予算審議を乗り切れないと判断し、26年度当初予算の審議を一切することなく国会冒頭解散に踏み切った。
その根底にあるのは、「高市内閣支持率70%」と「バラバラの野党」という認識など、いくつかのメディアの選挙予想結果が自民党の圧勝を予想するものだった。これに対し、彼女の最大の誤算は、立憲民主党と公明党による「中道改革連合」の旗揚げだった。これにより状況は一変…。自民党の苦戦どころか「政権交代の可能性」すら言われるようになった。もちろん「票の動き」がどうなるか、予測は簡単ではない。
「浮動票VS組織票」
今回の選挙が、これまでの構造と異なる点は与党の側が「浮動票頼み」であり、中道改革連合が組織票を中心に動いていることにある。これまでは与党が手堅く組織票をまとめ、野党が「風だのみ」とされてきた。しかし今回は、「高市内閣支持率70%、自民党支持率30%」という、浮動票頼みの選挙になり、立憲民主党と公明党による中道改革連合に組織票を固められるかという構図になっている。
ここで重要なのが、高市自身が独断で決めた、2月8日という投票日だ。36年ぶりの厳冬期の選挙となる。この時期は北海道、東北、北陸、山陰など、寒さと雪で思うような選挙運動ができない。「子育て現役世代」にとっては受験シーズンの真っ只中であり、宣伝カーの音声なども嫌われる。こうした時期には、組織戦がより重みを持つ。
国債デフォルト問題が焦点に
高市・自民と、中道改革連合の双方が「食料品の消費税廃止」を打ち出していることも注目される。高市首相は、臨時国会で消費税廃止をきっぱりと拒否していたから、票狙いであることは明白だ。中道改革連合は「人々の生活苦の現実に踏まえた」とは思う。しかし、仮にその5兆円といわれる税収減を全て赤字国債でまかなうものなら、ほどなく「国債のデフォルト」という破局がやってくる。
すでに、今回の総選挙を睨み財務省が1月20日実施した超長期国債の入札は需要低調、40年物国債利回りは初めて4%の大台に乗せた(価値下落)。言いかえれば、5兆円分を埋めるためにアメリカからの兵器買い取り拒否も含めた軍事費の削減、企業の内部留保を吐き出させるための法人税増税など、よりハードな課題に勝ち抜かないといけない。「だから中道改革連合が選挙で勝てばすべてがうまくいく」などということではないことも、強く確認したい。とくに、安保問題、原発問題など中道改革連合には批判されるべき点が多い。
高市政権の打倒を最優先
それらを踏まえた上で、やはり「今は、高市独裁政権の打倒を最優先にすべき」と考える。残された時間で可能な限りの選挙戦を進め、2月8日を「高市内閣最期の日」にしたい。それは、新たな「たたかい、展望の始まりの日」となるのだから。(淀川一博)
(注)統一教会の幹部が、韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁に「日本の政治の動き」などを報告した文書。TM=(True Mother)の略で、韓鶴子総裁のこと。
