渡辺信雄
春の兆し    
冷たい風のなか
ふわっと甘い匂いに
つつまれ
足を運んだそこに
君の姿を見た
ぼんやりと灯っている
紅いのつぼみ 点々と
そこへ ボタン雪ながれ
残酷な世情に心痛む日
そこで待っていてくれた
忘れずに 暗い道に火を灯し
この世の片隅で
季節の兆しの信号を
点滅させる