
「働く女性の人権センターいこ☆る 夏の講座」不安だらけの高齢社会!~介護労働と介護保険~が開かれた(8月5日、働く女性の人権センターいこ☆る・主催、オンライン)。ホームヘルパー国賠訴訟原告・伊藤みどりさん(介護福祉士)の話を聴いた。
国に責任がある
――伊藤さんは、小学校4年から高校生時代にかけてヤングケアラーだった。15歳のとき母親の死。父の再婚、弟の誕生。弟の引きこもりと継母の認知症発症。気がつけば、彼女も妹も姪も介護福祉士に。2011年夏に年金生活ができないことを自覚し、ヘルパー2級を取得し訪問介護の仕事を始め、18年に介護福祉士の資格を得た。
11年当時は、子ども小さい若い人や家族介護している人にとって、ヘルパーは人気の職種だった。12年ころから効率性・生産性を求める介護報酬改定の動きが強まる。伊藤さんは長く女性労働問題をやっていたので、自分の労働問題として資料を整理していた。介護労働のイベントで原告の一人の藤原るかさんと知り合う。18年ころ、藤原さんから裁判をやりたいと相談を受ける。
19年11月に、派遣切りと闘った佐藤さんにも声をかけ、1年間の準備を費やし提訴した。介護労働者の賃金システムについて、国の責任だと確信した――。
労基法を守れ
伊藤さんをはじめ原告のみなさんの発言はたいへん力強く、同じ介護現場で働く者として、とても励まされた。「事業者責任にして逃げる国を許さない! 移動・待機・キャンセルは賃労働」「労働基準法も守れない介護保険は違法!」を訴えている。
ホームヘルパー国家賠償訴訟は、次回10月25日(水)14時~16時、東京高裁。証人尋問、原告最終意見陳述、結審となる。支援、応援をよろしく。(小柳太郎/介護ヘルパー)
