
原発と核燃料サイクルからの撤退を求める集会が9月18日、大阪市内で開かれ、原子力市民委員会代表の大島堅一さんが「原発・核燃は時代おくれだ」と題して講演した。
原発は必要ない
「電気の安定供給のために原発が必要」という人が多いが、大島さんは「電力需給が逼迫するのは10年に1回ほどの厳しい気象条件の時で、時間も数時間程度」だという。電力会社が想定していない時期に気温が極端に上がると電気が足りなくなる。年中不足しているわけではないので節電によって対応できる。
電気料金が高いのは原発の維持費のせいである。原発は稼働していなくても維持費がかかる。原発事故に対する費用も電気料金に上乗せされている。
大島さんは「原子力産業は衰退しており、再処理も破綻している」と指摘。国は2021年第6次エネルギー基本計画では電源構成の20~22%を原発にする目標を掲げているが、現実には無理だという。電力会社が立てている目標では原発は5~6%でしかない。
日本の原発は沿岸部に集中して設置されているため、もしも戦争が起きれば大変危険だ。武力攻撃に耐えうる原発は存在しない。重大事故発生は不可避である。六ケ所村の再処理工場は特に危険だ。六ケ所村で事故が起きれば、避難人口は640万人(自主避難を含むと840万人)から最大6210万人(自主避難を含むと8920万人)が見込まれるという。8920万人とは、日本の総人口の7割に匹敵する。
事故で日本壊滅も
この他、福島県いわき市から避難した鴨下美和さんが原発事故によるいじめや健康被害、生活破壊の体験を、日本福音ルーテル稔台教会牧師の内藤新吾さんが「原発と核問題」をテーマに講演。
3人の話を聞いて、今すぐにでも原発を止めたいという気持ちに駆られた。大島さんは原発政策を批判して、「日本は変わらない国なんですよね」と話していたが誠に同感である。間違っていても一度決めたことは変えない日本政府。しかし、あきらめずに行動するしかない。もしも六ヶ所村で事故が起きれば、最悪の場合は日本が壊滅する。こんなものを未来の子どもたちに残すわけにはいかない。原発反対の声をもっと大きくしていかなければ。(池内潤子)
