1月27日、栗原佳子さん(新聞うずみ火編集者)が「琉球弧でいま何が起きているのか~『防衛力強化』で巻き込まれる住民~」と題して講演した。(滋賀県大津市、主催は戦争をさせない1000人委員会・しが)
栗原さんは、アメリカの「中国封じ込め」戦略もとで、南西諸島への自衛隊配備が着々と進められている状況を、時系列にそって説明した。
2010年、日本政府は「新防衛計画大綱」と「中期防衛力整備計画」で初めて、中国を念頭においた南西諸島の防衛力強化方針を打ち出した。14年には与那国島、宮古島、石垣島、奄美大島への部隊配備を明記。16年に与那国島に陸上自衛隊沿岸監視隊を配備した。
19年には宮古島に陸自警備隊、奄美大島に陸自警備隊とミサイル部隊を配備。石垣島で陸自駐屯地建設に着工し、宮古島で弾薬庫建設を進めた。20年には馬毛島への自衛隊基地計画を発表、22年の「安保3文書」の改定で、南西諸島のさらなる軍備強化を打ち出した。23年には馬毛島で基地着工。石垣島に駐屯地を開設し、陸自警備隊とミサイル部隊を配備した。
このように、アメリカの世界戦略とそれを担う日本政府によって、与那国島、宮古島、奄美大島、石垣島、馬毛島、沖縄本島で、自衛隊基地の強化が急ピッチで進められている。京都府精華町の祝園(ほうぞの)分屯地をはじめとした全国の弾薬庫も強化されている。本当に大変な事態になっているのだ。
栗原さんは軍備増強の全体像と実態を正確につかみ、日本政府の戦争政策に反対する運動を巻き起こしていく必要があると訴えた。(多賀)