サンテレビのニュース報道映像=1月20日

「私たちが避難した理由(わけ)」。福島第一原発事故で避難している人たち。関西、京都、ひょうごの原発賠償訴訟の原告、弁護団集会が開かれた(1月20日、尼崎市 写真下)。ひょうご訴訟の判決(3月21日、神戸地裁)にむけ意見交換、アピールがあった。
年明け早々、能登半島が大地震にみまわれた。志賀原発は運転を停止していたが、揺れで使用済み核燃料プールの水が一部漏れ、外部電源を受ける変圧器の配管が破損し使えなくなった。全電源喪失という恐るべき事態という可能性があったし、いまもある。

国、東電に責任あり

「そういうときに判決を迎える。一昨年6月、最高裁が国の責任を認めない判決を出した。その後、下級審は最高裁判決に追従する判決を続けている。私たちは最高裁判決の誤りを事実と法律論から批判してきた。国の責任を認めさせ、これまでの低い賠償額を打ち破る判決をかちとりたい」(古殿宣敬・弁護団長)。
参加した原告らは「幼い子どもを初期被ばくさせてしまった。鼻血、胸の痛み、尿からセシウムが検出された。申し訳ない気持ちでいっぱい」「二度とこのようなこと、つらいことを起こさせてはならない」「自由が守られる、意見が言える社会になってほしい。そのためにも国と東電にはっきりと責任を認めさせること」「広島の黒い雨訴訟は30年、50年、70年後も影響があると示した」と話した。
「昨年末の東京訴訟の高裁判決は、国の責任を認めなかった。非常に残念」「その直後に元旦、能登の大地震。裁判官は志賀原発の惨状を見て学ぶべき」「未来に負の遺産を残してはいけない。『想定外』に耐えられない原発などあってはならない」などの声も…。
こまつ座公演『父と暮らせば』に出演した、女優の斉藤とも子さんが演壇に立った。「日本に50基もの原発がある。福島事故の前までは、多くの人が気にしていなかったのかも。いま声をあげることが大切」「公演のことで広島を訪れ、被爆者のみなさんと話した。被爆者は福島の人たちを心配し、自分のことのように胸を痛めている」「原爆も原発も理不尽きわまる」と話した。
福島の人たちは我慢強い。各地の賠償請求訴訟を、自分たちの利害を超えとりくんでいる。福島では「風評被害」を心配する声もある。それでも原告のみなさんの立ち上がりは、「繰り返させない」ために、国・東電の責任を追及してやまない。
ひょうご訴訟の判決は3月21日(木)神戸地裁14時から。JR神戸駅北200メートル、午後1時20分集合。(竹田)