「世界民衆の連帯を」と訴える韓国のイ・ウォニョンさん=左から2人目/6月8日、大阪市内

岸田政権は、「脱炭素・AI時代に対応」ということを口実に、「第7次エネルギー基本計画」を今年度末までに決定し、「原発依存社会への暴走」を加速させようとしています。
第6次エネルギー基本計画(2021年10月)では「可能な限り原発依存度を引き下げる」と明記していましたが、第7次エネルギー基本計画では「原発の最大限の活用」へと舵をきり、原発60年超え運転、新設、建て替えなどの原発推進に突き進んでいます。
岸田政権の原発推進にストップをかけようと、大阪市内で「6・9とめよう! 原発依存社会への暴走~地震も事故もまったなし~」集会が開かれ、全国から1400人が参加しました。
集会で発言した「志賀原発を廃炉に! 訴訟」原告団長の北野進さんは、「能登では(県内に)残るか、(県外に)出るか」を迫られているといいます。1月の能登半島地震で被災し、現在避難中の北野さんは、「今、どちらか迷うことができるのは珠洲原発反対運動を支えてくれた関西、名古屋、全国の皆さんのおかげだ」と話しました。もしも出力1000万キロワット級を構想していた珠洲原発ができていたら、1月1日の地震では逃げることもできなかったからです。
志賀原発は、被害状況が少しずつ明らかになってきていますが、全容はまだわからないそうです。「地盤はズタズタ、変圧器の油漏れ、タービンの被害など相当深刻だと思う」とのことでした。
北陸電力は、こうしたことがあっても再稼働方針を見直していません。北野さんは「これは北電だけではなく福島の原発事故(2011年)があっても、能登半島地震があっても政策を変えようとしない岸田政権の姿そのものだ。総選挙があれば、絶対に岸田政権を引きずり降ろさなければならない」と語気を強めました。原発を止めることができるのは私たち民衆の力なのです。
最後に北野さんは「能登が落ち着いたら珠洲原発の予定地がどうなっているか見てほしい。こんなところに原発を建てようとしていたのです」と呼びかけて発言を締め括りました。
昨年ソウルから東京まで1600㎞を行進し、前日の8日に京都でデモと集会を行った「核汚染水ストップ世界市民行進」のイ・ウォニョンさんも発言しました。「脱原発運動は世界の民衆が連帯できる運動だ。主権者である国民が正しく判断し、主権者である国民が阻止し、主権者である国民が正しい道に導いていくことができる。ともにやればできる!」日本の市民への熱烈な連帯のあいさつでした。(池内潤子)