ユン・ソンニョル大統領は総選挙で敗北した後、しばらく沈黙を守っていたのですが、1年9カ月ぶりに単独記者会見をして総選挙に関する自分の考えを明らかにしました。そこで彼は「2年間、自分は立派にやっている」と胸を張り、「それを国民が体感していない。メディアに問題があるからだ」と責任転嫁したのです。そして「これからは積極的にコミュニケーションを増やして、今の政権が達成した成果を国民が体感できるようにしたい」と述べました。
有権者は「体感できない」からユン政権に審判を下したのではありません。ユン政権の民主主義破壊、経済破たん、なによりも民生経済破たんにノーを突きつけたのです。
具体的に見ていきましょう。まず韓国のGDPですが、2021年には1兆8177億ドルでした。この年までムンジェイン政権です。ユン政権に変わった翌22年、1兆6733億ドルに激減しました。韓国経済は18年時点に後退したのです。
なぜか。貿易統計を見ると、韓国の貿易収支は22年から一挙に赤字になっています。赤字の最大の原因は対中赤字です。ユン政権以前の韓国の歴代政権は保守政権も含めて安保対象は北朝鮮でした。同時に北方政策を展開してきました。北方政策とはロシア、中国と経済的友好関係を拡大していくという政策です。
ところがユン政権は、バイデンや岸田と共にアジア太平戦略に積極的にかかわり、中国を韓国の安保対象にしたのです。
中国と敵対し、ロシアと敵対しています。今年1月モスクワにある現代自動車の工場を1万ルーブルで売却しました。韓ロが敵対関係になったため、現代自動車がモスクワ工場に部品を輸出できないのです。そのために1万ルーブルでこの工場を売却したのです。1万ルーブルは日本円でたったの1万5千円です。
同時に韓国はバイデンが提案するチップ4(中国向け半導体の設計、半導体、半導体製造機器の輸出制限)に加わったため、中国は韓国から半導体を買わなくなりました。それが対中貿易赤字の最大の理由です。
23年度の韓国の経済成長率は1・4%。一方日本は1・9%。ついに韓国は経済成長率で日本に抜かれたのです。この30年間、韓国の経済成長率が日本を下回ったことはありませんでした。