昨年末の12月24日に結審を迎えた「原発賠償関西訴訟」には、200人余の傍聴希望者が集まりました。抽選に漏れた私は、別会場で模擬法廷を傍聴しました。模擬法廷と報告集会には全国各地からの応援や多くの報道関係者の参加、ZOOMによるライブ配信などにより、法廷内容は広く拡がりました。
関西での原発賠償訴訟、「京都訴訟」は第1審では東電は国の責任を認めたが、2審で国の責任は覆され、最高裁に上告されました。「ひょうご訴訟」は1審では国の責任は認められず大阪高裁で係争中です。大阪の避難者が中心の「関西訴訟」第1審は原告の数も多く、賠償訴訟のしんがりとなりました。この日の法廷では、大阪地裁での12年間をまとめる弁護団の最終プレゼン、原告代表の森松明希子さんによる最終陳述、弁護団代表の意見陳述が1時間半にわたって熱く展開されました。

「生活、権利奪われた」
まず弁護団から、①被告の国・東電が知識や権限を行使しなかった責任、②法定の公衆被ばく線量限度を20倍に拡大した国に対し、それ未満の地域からの避難と避難継続の妥当性、③家族が平穏に暮らす権利や、家業を続け教育をそこで受ける権利などが奪われたなど、多様な損害事例が指摘・列挙されました。
弁護団代表が、「被害はそれぞれだが、共通しているのは原発事故で人生が変えられたこと。その責任を国も東電幹部も負わない。司法は、これで良いのか。福島は他人事ではない。人間の尊厳がかかっている。歴史の中で問われる」と述べました。これらの事例の読み上げが行われ、法廷では原告や傍聴人から多くの悲痛な声があったといいます。

いまも「緊急事態宣言」中
2011年3月11日、福島第一原発事故に際し、政府は「原子力緊急事態宣言」を発令し、原子力災害対策特別措置法に基づき避難指示を出しました。宣言は、現在も解除されていません。3月11日以前も今も国内外ともに、公衆の「被ばく線量限度」は年間1ミリシーベルトです。しかし、原子力緊急事態宣言下の線量限度を20ミリシーベルトにまで拡大し、「20を下回った地域においては危険だという証拠はない」と避難の権利を認めようとせず、一般公衆の線量限度より高い線量の地域にも避難住民を帰還させようとしているのが国の姿勢です。
判決は2026年9月2日(水)、10:00~大阪地裁202号法廷の予定です。
12月24日、結審となった大阪地方裁判所に対し、「公正な裁判を求める署名活動」が行われました。署名は、2022年6月17日に最高裁判所が「国が東電に安全対策を命じても原発事故を防げなかった可能性が高く、国に賠償責任はない」とする判決を下し、それ以降の下級審の裁判官が、国策で進めた原発の事故なのに「規制権限を怠った国の責任はない」とする判決に無抵抗に従う独立性を放棄した司法の流れに、民意の盛り上がりを以って牽制するためです。

署名、傍聴とりくむ
https://c.org/cFZFRM4X2W にアクセスすると、オンライン署名ができ、署名用紙のダウンロードもできます。書面とオンラインの併用で署名活動が行われますが、重複署名は控えてください。
署名用紙送付希望や、オンライン署名のリンク先などの問い合わせは、次のアドレスあてにメールでお申し込みください。Kansaisapo@gmail.com
また、次の日程で「大阪駅北側、ヨドバシカメラ前」にて署名活動が予定されています。
1月24日(土)14:00~、 2月8日(土)14:00~、 3月21日(土)14:00~
12月25日に下された大津地裁、福井の3原発差し止め訴訟では、裁判所は住民の請求を棄却しました。判決では「原発の立地が『震源極近傍』にある」ことについて、新基準に何キロメートルと書いていない。記述がないなか、関電が『震源極近傍』を考慮しなかったことは不合理とは言えない」という法廷論理に逃げるなど、司法は「住民の安全を守るための判断」を放棄しました。
大阪高裁「ひょうご訴訟」第2回期日は、2026年2月2日(月)14:30開廷です。関西訴
訟と同様に、傍聴席を満席にして裁判長に訴訟の注目度を印象付けましょう!(馬場)
*写真は「事故後の福島原発」「溶け落ちたデブリ」「列島をとりまく原発」