
「物価高対策」というものの
神戸市は「福祉局高齢福祉課長」「福祉局障害者支援課長」の名前で、それぞれに「令和7年度 物価高騰対策福祉施設等緊急支援事業給付について(ご案内)」という、名前だけは立派なメールを市内の各事業所に送りつけてきた。支援対象経費は、「対象事業所が令和7年に負担している光熱費、食料品等」とのことだ。
わが訪問介護事業所は「訪問系1事業所あたり26,250円」とのこと。これで「1年分の支援」という。なめているのか。私個人だけみても、例えば原付きバイクに乗って地域を動いているのだが、5年前は会社から月1万円のガソリン代をもらいそれで足りていた。しかし、今はとても追いつかない。現実に対し、「1事業所2万6千円」というのは、金額が1ケタちがうだろう。

訪問介護を差別
金額が現実離れして低いのも問題だが、さらに問題なのは、訪問介護事業を施設系と通所系とは差別して低く算定していることだ。メールに書かれている計算式を見てみよう。
入所系① 1人当たり21円/日×定員数×30日×12カ月
入所系② 1人当たり42円/日×定員数×30日×12カ月
通所系 1人当たり63円/日×定員数×30日×12カ月
訪問系 1事業所あたり26,250円
どうだろうか。「入所系①、入所系②、通所系」は、計算根拠が示されているのに、「訪問系」は人数にかかわりなく定額ということだ。ちなみに私の勤める事業所は、常勤サービス提供責任者が5名で約120人程度の利用者をカバーしている。
したがって「26,250円÷120人÷30日÷12カ月=1人当たり0,607円/日」
あるいは、「26,250円÷120人÷30日÷12カ月=1人当たり18,229円/月」
月1人あたり20円にも満たないのである。
希望は捨てない
こうして数字だけ見ると怒りがこみ上げるが、それでも運動的には「小さな一歩」とは言える。次は、「この支援内容で実情に合っているのかどうか」現場からの声を集め、当局にたたきつけることだ。そうして介護現場から、ひとつひとつ声を集めていくことが大切だ。希望を捨てないで、次の一歩を踏み出すのだ。(小柳太郎/神戸市、訪問介護ヘルパー)
*表は厚生労働省(2023~25年度前後)
