神戸市は「福祉局高齢福祉課長」「福祉局障害者支援課長」の名前で、それぞれに「令和7年度 物価高騰対策福祉施設等緊急支援事業給付について(ご案内)」(令和8年2月25日付)という、名前だけは立派なメールを市内の各事業所に送りつけてきた。支援対象経費は、「対象事業所が令和7年に負担している光熱費、食料品等」とのことだ。
 わが訪問介護事業所は「訪問系1事業所あたり2万6250円」とのこと。これで「1年分の支援」という。なめているのか。私個人だけみても、例えば原付きバイクに乗って地域を動いているのだが、5年前は会社から月1万円のガソリン代をもらいそれで足りていた。しかし、今はとても追いつかない。現実に対し、「1事業所2万6千円」というのは、金額が1ケタちがうだろう。

訪問介護を差別
 金額が現実離れして低いのも問題だが、さらに問題なのは、訪問介護事業を施設系と通所系とは差別して低く算定していることだ。メールに書かれている計算式を見てみよう。
●入所施設   1人あたり15円/日
●多機能型 (看護)小規模多機能型居宅介護
 泊り分  1人当たり63円/日 
 通い分 1人当たり21円/日
 訪問分 1事業所当たり26,250円(年)
●通所施設 1人あたり21円/日
●訪問系事業所 1事業所あたり26,250円(年)
 一見して明白なのは、入所と通所は「一人あたり一日いくら」を積算してくのに対して、訪問系は「年間の総額いくら」と総額でおさえていることにある。
たとえば、私が勤める訪問介護事業所は頑張っていて、通年して100名以上の利用者を維持している。
そうすると計算式は「年間26,250÷100=262.5」 つまり年間一人あたり262.5円の上積み、月では21.87円だ。しかもこれが、月のサービス日数が増えるほどにさらに支援効果が希薄になる。これは一日あたりの積算で上積みされる入所施設および通所施設と訪問介護事業所とは真逆だ。
 ここに、入所施設および通所施設と訪問介護事業所を差別している厚生労働省の姿勢はあきらかだ。

希望は捨てない
 こうして数字だけ見ると怒りがこみ上げるが、それでも運動的には「小さな一歩」とは言える。次は、「この支援内容で実情に合っているのかどうか」現場からの声を集め、当局にたたきつけることだ。そうして介護現場から、ひとつひとつ声を集めていくことが大切だ。希望を捨てないで、次の一歩を踏み出すのだ。(小柳太郎/神戸市、訪問介護ヘルパー)
*表は厚生労働省(2023~25年度前後)