23春闘の報道では満額回答などの言葉が踊っていましたが、その内実は、特に非正規には厳しいままです。春闘前の報道で、ユニクロやイオンの対応も注目を集めました。これらも能力主義と成果主義で競争、分断をより激しく煽りかねないと憤りすら感じていました。労働者、労働組合が勝ち取ったものでないので当たり前なのかもしれませんが。
さて、そんな中でわが郵政はどうかと言えば、3月16日朝日新聞のネットニュースでは「民営化後最大のベア」の見出しが。平均4800円の賃上げ、定昇込みで5・11%がこのように仰々しく打ち出されていたのです。しかも、非正規への賃上げはまったくのゼロ。わずかに評価できるのは物価高騰などに対する特別一時金7万円が正規、非正規問わず全社員へ支給されたことでしょうか。ただしフルタイム雇用でない労働者は減額。これでは到底「最大の賃上げ」などという内実はありません。
ところで、職場のJP労組の掲示板では、日本郵政の回答を成果のように誇っていました。しかしよく読むと成果どころかマイナスがあることもわかりました。労働条件改悪込みの賃上げだったのです。
昨年の春闘前後、「労働条件の改悪を許すな」と郵政ユニオンなどが宣伝を強め、JP労組内でもそれに呼応する声が大きくなりました。その結果、昨年は病気休暇の格差是正など一部で押し返しましたが、休暇削減については今年に持ち越しとなっていました。
今回の4800円という賃上げには、その休暇の削減が織り込まれているのです。具体的には夏期冬期休暇6日を4日減らし、その分を換算して賃金にあてるという内容です。昨年の春闘では、あろうことかJP労組がそれを積極提案していたのですが、今春闘であらためて妥結したのです。
しかしJP労組内部で休暇削減への反対が多いため、休暇削減はまだ決定していません。夏の定期大会での決定を見込んでいるのです。つまり、休暇削減は未確定ではあるが、賃上げに関してはそれを見込んだものを先に受け入れて妥結したというのです。
3月17日、郵政ユニオンは全国でストライキに突入しました。ツィッターやユーチューブでその様子を観ることができます。郵政ユニオンのみならず、多くの労働者が、日本郵政グループの回答に怒っています。(良)