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「子どもたちの地球を汚すな! 原発いらないお話し会」が開かれ、老朽原発うごかすな! 実行委員会の木原壯林さんが「原発は、なぜ無くさなければならないか」「百害あって一利なし」と話した。(7月9日、神戸市内/さよなら原発神戸アクション、市民デモHYOGOなど12団体)
木原さんは、「福島原発事故から12年。原発が重大事故を起こせば、農地を奪い、海を奪い、職場、学校、生活基盤を奪い去ることを、大きな犠牲により、私たちは教えられた」と次のような例をあげ、話した。
㋐トリチウムだけでなく、除去されなかった放射性物質を含む大量の汚染水がたまり続け、いま太平洋に垂れ流されようとしている。
㋑子々孫々にまで負の遺産となる。使用済み核燃料が蓄積される。その処分法はなく、中間貯蔵すら引き受ける所はない。
㋒戦争になれば、原発は格好の攻撃目標になる。(ウクライナ戦争で)実証されている。
「これだけ見ても原発は現在の科学技術で制御できる装置ではない。あってはならないことは自明」と結論する。
ガラスのように脆く
特に、老朽原発の危険性の一つに、炉心の圧力容器がもろくなる劣化現象がある。炉心の圧力容器は高純度の鋼鉄でできているが、長年放射能と高温高圧にさらされると徐々に変質し、金属特有のやわらかさが奪われ、ガラスのように脆くなりやすい。建設当初の炉心はマイナス16度から脆くなるが、老朽化した現在の高浜原発1号機では99度で脆弱化する。緊急冷却で水を注入した場合、炉心にヒビが入り割れる。大事故が必至となる。
原発には冷却水を動かす膨大な数の配管がある。その損傷も深刻な問題だ。使用不能となった伝熱管は栓がされた状態にある。22年現在の高浜原発伝熱管は3号機10146本のうち390本が施栓(3・8%)、4号機10146本のうち370本が施栓(3・7%)となっている。
原発立地の教訓
木原さんの話の前半は深刻な内容だった。後半は「私たちは10年半の行動などで経験し学んできた」と希望も感じた。
原発立地での活動を通じ、原発立地といえども「原発はいやだ」という声が圧倒的であることを感じた。私たちの側が「現地はほとんど原発賛成」という先入観を持っていては、「脱原発、反原発」の声を聴くことができないし、「脱原発、反原発」を訴える力もない。
「私たちが地道に骨身を惜しまず訴えれば、脱原発の声を顕在化し得ることを実体験した。住民の声援と対話が運動の意義を確認させ、次の行動の糧になることを知った」
「廃炉!」の声ひびく
質問や意見交換が行われた後、パレードに出発。「廃炉!」のコールをあげながら元町商店街へ。スマホで写真を撮っていた外国人観光客から「NO NUKES」の声が聞かれた。(小柳)