
狭山事件は、1963年の事件発生から59年を経過しました。「犯人」とされた石川一雄さんは不当な勾留や自白の誘導、冤罪により無期懲役の判決を下され、32年もの獄中生活を強いられました。獄中からも、1995年の仮釈放後も、83歳になるいまも、一貫して無実を訴え続けてきました。
2006年、東京高裁に第3次再審請求を申し立てました。09年に証拠開示勧告が出され、200点余りの新証拠が開示され、狭山再審弁護団は証拠資料にもとづき科学的な鑑定を実施。達筆な脅迫状と、差別と貧困により学校教育を受けられず当時非識字者だった石川さんの上申書の筆跡、文字の違い。被害者のものとされた万年筆・インクの蛍光エックス線による鑑定など、有罪判決の誤りと石川さんの無実を示す新たな多数の鑑定を提出しています。
事実調べを請求
再審弁護団は今年8月、11人の鑑定人証人尋問と有罪証拠とされた万年筆鑑定の実施(事実調べ)を請求しました。戦後の再審請求審では事実調べが行われれば再審開始、行われなければ再審棄却となる流れがあります。検察は11月下旬までに反論を予定しており、年内か来春までに東京高裁がなんらかの決定を出すと予想されます。
そこで10月末までに10万人、年末までに20万人の緊急署名が呼びかけられました。
「23日」座り込み
関西では「狭山再審を求める市民の会・こうべ」がJR神戸駅北側広場で「23」デー座り込み行動(毎回10時〜15時、次回は11月23日)を実施。
石川一雄さんは無実です。殺人犯の汚名を着せられ無期懲役囚として自由を奪われ、冤罪の重荷を背負い続けています。冤罪・狭山事件は、大きな山場です。 (庄二)
【石川一雄さんの一言】 今は兎に角、再審闘争に重点をおき自分の逸(はや)る気持ちを抑えて闘いに専念。当時、如何に無知とはいえ、警察の罠に嵌(はま)ってしまった自責の念で一杯乍ら、冤罪を晴らすのに、このように長い年月が必要だとは想像もできませんでした。科学が暴く驚天動地。
〔注〕署名用紙は、部落解放同盟中央本部のHPからダウンロードできます。署名の集約は、〒653—0004神戸市長田区四番町3—4—32 狭山再審を求める市民の会・こうべ/090—3624—8270高橋まで。