11月3日、大阪市内の扇町公園で「かがやけ憲法! 平和といのちと人権と 11・3大阪総がかり集会」が開かれた(写真上)。同志社大教授の岡野八代さんが講演。岡野さんと若者2人によるクロストークも行われた。
 岡野さんは「敗戦前は明治天皇の誕生日だった11月3日が、敗戦後、新憲法が公布され、戦争を放棄した日となり、『文化の日』となったことの意味を大切にしたい」と次のように話した。
 「私たちは国のために生きているのではない。国は個人の尊厳を守るための道具にすぎない。それが、私が憲法から受け取ったメッセージだ。このメッセージが憲法を改正したい政治家にとって邪魔でしかたがない。いま当たり前のように軍事力の増強や敵基地攻撃能力の保有などと威勢のいいことを言う人がいる。しかし、人口が密集し、原発を54基も抱えている日本は国土を戦場にすることはできない。必要なことは、武力を使わないと約束するための外交や交渉能力だ。私たちにできることは、文化と暮らしが大切だと考える議員を国会に送ることだ」。
 トークセッションでは2人の若者が「ジェンダー平等」「生活の不安」「憲法とかけ離れた政治」「自分にとっての憲法」というテーマで議論。
 最後に岡野さんが「市民はまったく改憲を考えていない。改憲論者たちにどう(反論)するか。フィンランドはロシアと国境を接しているため、GDPの2%の軍事費を使っている。その目的は首都の住民の7割が何週間も生活できる核シェルターの設置など、他国から攻撃を受けた時に住民を守ることにある。逃げるところがない日本で絶対に戦争してはいけない」と話した。
沖縄の高良鉄美参院議員はメッセージで「今は主権在米。沖縄は憲法を遵守しない国によって安全を脅かされている。沖縄にとってのリスクは米軍基地だ」とし「将来世代が平和な未来予想図を描くことができるように祈念する」という言葉で結んだ。  (堀ちえこ)