
「コロナになってもならなくても死ぬ」強烈な帯の文言が目に留まり、買い求めて読んでみた。この本はウエブマガジン「マガジン9」(https://maga9.jp/)の連載「雨宮処凛がゆく!」の2020年〜2021年の原稿をまとめ、加筆、修正したものである。
本書では、「今日ホームレスになった」「所持金ゼロ」「1週間水だけですごしている」といった人たちの相談に乗り、生活保護申請につきそうボランティアメンバーの活動が紹介されている。筆者は言う。「『死なない』ノウハウを、今、あなたに伝えたい」と。
1例を紹介。つくろい東京ファンドと当事者のSさんにつきそって、千代田区福祉事務所の行った著者は不審に思う。東京ではどこの福祉事務所も人が殺到している状態なのにガラガラだったからだ。山本太郎氏も合流し、話し合いが始まった。Sさんはこの1週間前に申請をしていた。このとき所持金は2000円。普通2週間以内で決定される。しかし、千代田区は違った。1カ月かかるという。そして所持金がない場合、仮払いされるのが普通だが、千代田区が渡したのは災害備蓄の缶詰と水だった。1時間10分の交渉の末、2週間で決定が出ることになり、現金の仮払いもされることになった。しかしこれを一人で行っていたとしたらどうだろう。窓口で申請もできず追い返されたかもしれず、悪くすると餓死したかもしれない。
また、コロナ禍で炊き出しに並ぶ人や相談に来る人の層が変わっていると筆者は言う。住宅ローンを組めるような人や自営業の人がホームレスになっている。女性も増えた。それでも生活保護を勧めると、なんとか頑張ってみるという人が多いのだそうだ。すぐそこに命の危険が迫っているというのに…。これには生活保護バッシングが影響していると筆者は見る。
「生活保護は権利なんだ」とみんなが思う世の中になってほしい。(民)
コロナ禍の記録のこと、大切ですから関西での状況をレポートしてもらえれば。介護現場は書いてもらって、わかりますが。ウクライナももちろん大事です。世界がグローバルに影響を受けることです。
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