参議院選挙が始まった。改憲をめぐって護憲野党による3分の1議席の確保が重要な課題だ。翼賛政党化の動きも無視できない。
直近の政党支持率では自民が46・5%で他党を圧倒している。野党第1党の立憲は8・3%にすぎない。内閣支持率も56・9%と高い水準だ。ただし、「物価対策を評価しない」が64・1%と、内閣支持率を上回っている。支持政党なし22・0%がどう動くのかが注目される。(共同通信6月)。
さて、選挙をどう考え行動するか。確かに、選挙だけでは社会は変えられない。しかし、選挙の結果が社会に反映する。選挙を無視して社会を変える端緒はつかめない。
「悪夢」とまで喧伝された2009年の政権交代だが、そのとき有権者は、自民党の横暴に怒って2980万票(308議席)を民主党に投じた。
民主党政権が直面した困難、長きにわたり自民党支配と結びついてきた財界・資本、官僚制度の強固な壁もあった。それでも高校授業料無償化を実現し、「子どもは社会が育てる」と子ども手当を実施した。高校授業料無償化は、現場の教師はもちろん親たちの長年の願いだった。
「辺野古新基地は最低でも県外」も沖縄の戦後と「復帰」後の現状をみれば、当たり前のことを言ったにすぎない。
しかし抵抗勢力の逆襲、迷走、原発事故も起き、3000万票を投じた主権者は「期待はずれ」と冷めた視線に転じた。
はたしてそれでよかったのか。政権が交代したら「後はお任せ」では、変革を求める主体の危うさのみが残る。
「選挙に勝つ」だけで社会は変わらない。しかし、選挙に負ければどうなるか。8年余、安倍政権のやりたい放題を許してしまった。今度の参院選の見通しはきびしい。それでも主権者である市民の知恵と力を集中させなければ。戦後77年、「復帰」50年、「自主、自治をあきらめない」沖縄に連帯し学びたい。 (雅)