報告集会で発言する韓国サンケン労組の訪日団=10月15日、大阪市

 今年7月、勝利的に解決した韓国サンケン労組の訪日団を迎えて、大阪市内で報告集会が開かれた(10月15日)。
 
国、会社を越え連帯
 
 韓国サンケン労組訪日団は、オ・ヘンジ韓国サンケン労組・支会長、キム・ウニョン副支会長(民主労総・副委員長)など5人(写真下)。全員が思いを述べた。「闘いはきつかったが、日本の労働者、市民の熱心な支援に感謝。会えてうれしい」「コロナ禍で日本の本社に行けないなか、日本でみなさんが闘ってくれた」「尾澤さんへの弾圧はみなさんの闘いに追い詰められたから」「はじめは大阪のみなさんとのつながりを理解できなかった。一度も会ったことのない労働者が立ち上がってくれる。その美しさ、人間性、労働者が労働者であることを示す同志的なあり方に感動し、泣いた。日韓連帯を継承していく」と。
 討論では「日韓が交流し、それが力に」「労働者は国、会社を超え一つになれる」「弾圧される労働者が連帯していく」など。「占拠、ハンストへの組合員間の討論は?」「組合の組織づくりは?」「争議について家族、友人たちは?」など韓国サンケン労組への質問もあった。
 キム・ウニョンさんは、「闘い続けて行けるのかという厳しい意見も出されたが、自分たちだけで答えを出せない、勝利するも敗北するも日・韓で答えを出していく」と話し合ったという。ハンストも「脱水を避けるビタミン剤も飲まずに、徹底して行う。占拠闘争も引きずり出されるまでやる」。その命がけの闘いに韓国の雇用労働部も、サンケン電気本社も動かされ勝利的解決に至ったという。
 
全員討論、全員で行う
 
 韓国では民主化闘争で労組は認められたが、韓国サンケンも御用労働組合として始まった。キム・ウニョンさんが、選挙によって組合委員長になり民主労組に加盟した。
 「会社は、組合つぶしを執拗にくりかえし、嫌がらせを行った。韓国工場をインドネシアに移転しようともした。整理解雇攻撃に対し、工場を占拠し寝泊まりしながら移転を阻止した。日本への遠征闘争も行い、日本の労働者との連帯で勝利できた。韓国サンケン労組は、『全員で討論をおこない、全員で闘う』を掲げ、社会・政治、朝鮮統一問題に積極的に取り組んできた」と話した。         (高崎)