オンラインで講演する前泊博盛さん=6月23日

6月23日、沖縄「慰霊の日」。大阪市内での集会。1分間の黙祷を行い始まった。140人が参加し、沖縄・魂魄(こんぱく)の塔前の国際反戦集会の模様、前泊博盛・沖縄国際大学教授の講演、清水早子・「ミサイル基地はいらない宮古島住民連絡会」共同代表の話などがあった。
 前泊さんは、「慰霊の日」は当初は6月22日、1965年から6月23日になった。日本軍の組織的な戦闘が終わった日とされているが、21日か22日、23日かはっきりしていない。米軍が沖縄作戦の終了を宣言したのが7月2日、「今も議論が続いている」とし、次のように話した。
 沖縄戦の最大の教訓は、「軍は住民を守らない」ということ。今、ロシアのウクライナ侵略、ウクライナで地上戦が行われている。民間人が居るところが戦場となり、多くの犠牲者が出ている。NATOと日本はウクライナを支援し、戦争・殺し合いが継続している。「台湾有事」、中国との関係で日本は自衛隊ミサイル基地を南西諸島につくり、戦争への動きを強めている。もし戦争になれば、「殺すか殺されるか」の関係に入る。
 沖縄は、米軍にとって天皇メッセージ(沖縄の支配をアメリカに求めた)によってNATOとアメリカを守る基地として建設された。日本はなぜ、アメリカとNATOを守るために第1列島線を維持し、「台湾有事」を煽り続けなければならないのか。
 自衛隊・軍は、国、国体を守るため。住民を守るものではない。住民を守るのは自治体の仕事になる。安保関連三文書を見ればはっきりしている。「台湾有事」となれば、安保条約により日本は戦争に巻き込まれる。岸田政権は「アメリカに見捨てられる恐怖」のなかで、総額43兆円を超える防衛予算を決めた。琉球弧の島々にミサイル基地、トマホーク500発の購入もいわれている。新基地建設が進み、核配備も問題になろうとしている。辺野古弾薬庫の整備は、その一環だ。
 次に宮古島の清水さんから。太平洋戦争では宮古島で飢餓が発生し、多くの犠牲者が出た。現在は、「北朝鮮」のミサイルを迎撃すると称しPAC3が配備された。アラートが鳴り、その体制をとるのかと思っていたが、PAC3は台風に備え閉めてしまった。これが現状。
 中国の動きを監視すると言って島々に自衛隊の基地がつくられ、ミサイル基地になった。再び、沖縄戦を繰り返さないことが、私たちに求められている。
 全国、関西で『沖縄、再び戦場(いくさば)へ』(三上智恵さん制作)のスピンオフ作品の上映会、南西諸島軍事化反対の「写真展」などが取り組まれている。      (高崎)