スウェーデンの国会議事堂前、たった一人のストライキを契機に、ヨーロッパの5万人の高校生のストライキや100万人のデモの引きがね役となったグレタ・トゥンベリさんは、アスペルガー症候群の困難な病気とたたかう少女だった。有名なオペラ歌手マレーナ・エルンマンと俳優スヴァンテ・トゥンベリ夫婦の長女、マスコミにスクープとして大きく取り上げられ、<気候変動問題>をこれほど強烈に世界に突きつけた彼女の闘いは、人類の危機への警鐘であり、ひとつの貴重なドラマである。
「北極の氷が溶けるスピードが1分間に20万平方メートルだ」とか、「2017年、900万人が環境破壊が原因で亡くなった」「ボルボ1台を10キロ走らせるのに、23.5トンの古木と恐竜と数千万年の時間が必要」「リサイクルのためにゴミの分別を20年続けても、1回飛行機に乗るだけでその努力がフイになる」「私たちに最適の大気中のCО2濃度は350ppm以下なのに、すでに410ppm」「私たちは200ちかくもの種が毎日絶滅する、第6の大量絶滅旗の最中にいる」「コスタリカは、プラスティックの使い捨てを禁止し、何百回も再生利用している」「人類は11年後に、制御できない、不可逆的な連鎖反応を引き起こすだろう」「新聞記事の気候変動や環境問題の記事は、全体の0.3~1.4%」等々。衝撃の指摘が次々と叩きつけられる。
「近代社会は一体地球とどんな契約を交わしたのか!」「国や企業の権力者が牛耳るこの文化の下では、気候問題をシステムの欠陥の現れと発言する人はほぼ皆無」「もし貴方たちがこの宿題に手をつけたら、新しい政治が必要だとわかるはず」「No one is too small to make a difference(変化を起こすのに小さすぎるなんてことはない)」などなど。グレタは、怒髪天をつく形相で前を通りすぎるトランプに眼(ガン)を飛ばし、世界に突きつける。
ガザ救援の船団への乗船、イスラエル軍による弾圧。彼女の闘いは今も続く。(啓)