10月3日、成田市の栗林公園で三里塚全国集会が開催されました。台風16号の影響で足元は濡れていましたが、台風一過の好天のもと、490人の参加。盛況でした。

 成田空港に反対する市東孝雄さんの農地取り上げめぐる状況ですが、6月8日、最高裁は強制執行の差し止めを求める請求異議審裁判で上告を棄却しました。しかし、市東さんの農地で係争中の別の裁判があるため、現実的には強制執行が難しいようです。

 とはいえ、農民を守るための農地法を使って土地を奪うという、無法な判決を下す司法に期待することできません。係争中の裁判も、空港側に有利に決着するでしょうが、世間の注目が集まれば、状況は変わるはず。市東さんとその農地を守ることができるのは、支援する多くの仲間の団結力とそれを支持する世論の力です。

 基調報告で三里塚芝山連合空港反対同盟の萩原富夫さんは、最高裁の上告棄却を弾劾。コロナ禍で成田空港の利用者数はは1日平均3800人。今後も需要が伸びる展望がないのが現状です。こんな成田空港のために、市東さんの農地を明け渡す必要はない。市東さんの確固たる決意と反対同盟の強固な団結が勝利の要である。三里塚のたたかいは、金儲けのために公共性を騙って弱者を切り捨てる国策事業とのたたかいであり、世の中のあり方を変えるたたかいである、と力強く訴えました。

 市東孝雄さんは、「上告棄却は想定内。私の気持ちは全く変わっていません。沖縄、福島をはじめ、闘う仲間と広く連帯し、団結を強め、『ウソをつかない、諦めない』これを信念として耕し続けます」と発言。その揺るぎない決意に、会場から大きな拍手が起こりました。その後、川口真由美さんの歌とギターに萩原富夫さんのベースが加わり、会場一体となって手拍子とともに皆が声を合わせました。「一般庶民は自助、大金持ちは公助」。一度聞くと忘れられないフレーズ。

 今後の裁判は続きます。多数の注目の中で裁判が行われることが決定的に重要なのです。

(安芸一夫)