瀧の空       信雄

空が澄み 高くなってきた
倒立して古郷の空へ行く
絶え間なく
吹き上げられるしぶきに
全身を投げ込み
祈りつつ洗う
修験者が修行した山道を
這い上がる
どこからか石が投げ落とされ
さりながら枝につかまる
瀧の響きが近く遠く
霊気がただよい降りてくる
水と光が散る