構造的癒着
 
統一協会は霊感商法、高額献金、集団結婚という犯罪的なカルト集団であるだけではない。彼等は国際勝共連合というもう一つの顔で、反共・反動政治の先兵となって、政権政党である自民党に取り入ってきた特異な「宗教集団」だ。統一協会は、その本部がある韓国では「反社会的ビジネス宗教」とみなされている。フランスでは「カルト集団」という扱いだ。その教義である「統一原理」は、創始者の文鮮明を「再び世界に降臨したキリストである」とし、「再臨のメシアである文鮮明夫妻が新しいアダムとエバとして地上に天国を築く真の父母様である」とする荒唐無稽なものだ。それは信者を洗脳し、支配するための教義なのだ。
統一原理の解説書「原理講論」で柱となる教義は、「祝福」という救済の教義である。これは旧約聖書時代に、「エバがサタンと不倫したことによって人類は原罪を負った。戦争や犯罪などすべての不幸の原因は、人類がサタンの血統になったためである。人類を救済するためにはサタンの血統を転換しなければならない。それは神である文鮮明に清められた女性が、神によって選ばれた男性と結婚することで原罪のない子どもを生むことだ。その延長線上に人類は救済される」という論理だ。集団結婚はその象徴的儀式である。
「原理講論」のもう一つの柱が「万物復帰」だ。「地上にあるすべての人や財産は本来神(文鮮明)のものである。だからサタンの世界となった地上の財産は本来の所有者である神に復帰させなければならない」というものだ。「霊感商法」などはこの教義に基づいている。どんなに犯罪的な活動であっても、信者にとっては「善行」であり、「救い」なのだ。
このようなあくどい資金集めが行われているのは日本だけだ。その理由は、「日本はサタンと不倫したエバ国家であり、アダム国家である韓国に奉仕するために財を積まねばならない」という教えによるものなのだ。
こうした荒唐無稽な教義によって信者を獲得することは簡単ではない。そこで統一協会がとった戦略が、積極的に時の権力に取り入り、その権威と庇護のもとで教団を維持拡大するというものだった。
 
自民党が「お墨付き」
 
1961年、韓国では軍事クーデターによって朴正熙軍事独裁政権が誕生する。統一協会は教団の活動の場を確保するために朴政権に取り入り、KCIA(韓国中央情報部)の下で反共主義と暴力性を身につけていった。日本への進出は、その3年前の1958年である。日本側で統一協会をサポートしたのが右翼・笹川良一と岸信介・元首相だった。
統一協会が選挙支援や秘書の提供で、国会議員や地方議員と接点を作り、結びついていった。信者たちはポスター貼りやビラまき、電話作戦、さらには相手候補のポスター破り、誹謗中傷のビラまきまで献身的に行う。政治家にとってはこの上なく重宝な存在であり、信者たちにとっては「神の摂理に沿ったもの」ということになる。
選挙応援の見返りとして政治家たちは、統一協会の催しへの祝電やメッセージ、講演などで広告塔として役割を果たす。信者たちはこうした議員たちを見て、自分たちの教義に確信を深めていくのである。こうして政治家たちが統一協会の活動に「お墨付き」を与えてきたのだ。 
(当間弓子)