報告集会での原告、弁護団=8月23日、大阪市

第5回琉球遺骨返還訴訟・控訴審が大阪高裁・大法廷を埋め尽くして行われた(8月23日)。松島泰勝・原告団長の意見陳述、弁護士による最終準備書面の要旨陳述があり、結審した。判決は9月22日(金)午後2時半から大阪高裁。

人として生きるために

松島泰勝・原告団長(龍谷大学教授)は、次のように陳述した。
「日本人類学会はわれわれ(琉球)の植民地としての歴史を考慮にいれず、『日本国民であれば遺骨を提供せよ』と日琉同祖を迫っており、大変、不愉快であり、強い怒りを感じる。控訴審の進行協議において京大は、26体の遺骨の写真を提示した。その写真を見ると、京大は遺骨として敬意をもって扱っていない。琉球民族は、先祖の遺骨を「骨神」として拝んできた。ご先祖はさぞ辛いだろうと悲しみ、心を痛める。遺骨返還は、人として生きるための重要な活動である。京大の総長をはじめとする教職員、学生の親族や友だちの遺骨が墓から奪われたら、どれほど怒り、悲しむだろうか。裁判官におかれては、ご先祖の遺骨をお墓に戻し供養したいという、人として当然の基本的な願いや権利に光を当ててくださることを心からお願い申し上げる」
裁判終了後の報告集会。丹羽雅雄・弁護団長から、「この裁判は脱植民地主義、先住民族、マイノリティの問題として大きく闘っていかなければならない。国際人権、人権法の発展の潮流に適合し、歴史の審判に耐えうる公正な判断を求める最終準備書面を提出し、陳述した。これからも国際人権、反差別の流れのなかで運動していく」と述べた。

未来の財産を失った

原告の金城実さんは、「裁判で残念に思うことは、被告である京都大学が出てこないことだ。裁判所の土俵のなかで正々堂々と議論を交わすことができなかった。私たちの未来にむかって、大きな財産を失ったようなものだ。今回の裁判、盗骨問題は、勝ち負けを別にして、沖縄の人間が目を覚ますかどうか、琉球人としての誇りがあるかどうかが問われている。二度と沖縄戦を繰り返してはいけない」と話した。
東京の支える会から。「沖縄一坪反戦地主として闘っています。在本土の沖縄の人間です。どこから考えても差別である。先住民族の人と交流することがあり、国際的な植民地の問題としてある。研究という名で差別が行われている。今ある差別と闘っていきたい」
奈良沖縄県人会の崎浜盛喜さんは「総決算的な内容を松島さんや丹羽弁護士が述べられた。金城さんは、問われているのはウチナンチュ、沖縄の人間と言われた。われわれ先祖の遺骨が盗まれていることにどうするのか。もっと参加がなければならない。裁判の結果いかんに関わらず、脱植民地主義、差別に抗う運動をつくっていきたい」と発言した。(高崎)