政府は今の国会に「社会福祉法等の一部を改正する法律案」を提出したが、その中で介護保険制度の改定が行われようとしている。そこで何が問題となっているのか。「公益社団法人 認知症の人と家族の会」代表理事の和田誠さんの講演を聞いた(4月4日、大阪府高槻市)。
 和田さんが指摘した第一の問題点は、介護保険サービスが「全国一律」から転換し、居住地によるサービス格差が固定化する恐れがあることだ。「地域の実情に即するため」という名目で「中山間・人口減少地域」に指定された地域では、人員基準や訪問介護などの介護報酬が引き下げられ、介護サービスが他の地域に比べて劣悪化する。
 第二の問題点は、2027年の改定では結論が持ち越しとなったが、利用料の2割負担の対象者を拡大しようとしていることだ。全日本民医連が実施した「利用料が2割になったら」というアンケートに「家計(食費など)を切り詰める」と回答した人が3割以上に上った。負担増は利用者の命を削る実態が明らかになっている。
 今回の改定の最大の問題点は、介護保険制度の「持続可能性」の名のもとに、利用者の生活保障が後回しにされていることだ。改定を推進しているのは経団連、日本商工会議所、健保連など経済界や保険者団体が中心だという。和田さんは「誰もが安心して老いることができる社会の基盤が現行の介護保険。その改悪を許してはならない」と強調した。(深田)